本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本 [book]

本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本 / 内沼 晋太郎 (著)

本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本

「本の未来をつくる仕事」と「仕事の未来をつくる本」という 2 つの主題について、それぞれ、表面から真ん中に、裏面から真ん中に、と向かって読み進めていく、両A面を目指したという面白い体裁の本です。

「本の未来をつくる仕事」の方は、カラー写真ありで、著者がこれまで行ってきた本を売る企画が紹介されています。
一時的な企画ですでに終わってしまったものや、発展途上のものが多いように感じたので、こちらは流しました。

「仕事の未来をつくる本」の方は、自分のやりたいことがお金をもらうことではない人向けに書かれた仕事に対する考え方です。

考え方自体は、まずはお金を稼ぐ仕事もしながら、自分のやりたいことを無料または安価で始めて、軌道に乗せていきましょうというもので、「週末起業」の考え方と似ています。

著者のように、バイトをしながら、自分の好きな分野で知名度を上げていくというのは、なかなか難しいと思いますが、参考になる部分はあると思います。


以下、読書メモ。

p.14

まずは、ラーメンとは関係ない仕事でお金を稼ぎつつ、自分で考えた「お金をもらわないでラーメンを食べる仕事」をやる。これを「自分のやりたいこと」に基づいて考えます。そしてその「お金をもらわない仕事」のほうを「あまり他で見たことも聞いたこともないもの」にして、それをなるべく「強度」や「影響力」のあるものにします。


p.18

最初はあえて、よく聞かれる「やりたいこと」という言葉をつかいましたが、ぼくがすすめるのは「なりたい感じのイメージ」をもつことです。

どういう場所にいるか、どういう人と話しているか、どういうことを考えているか。誰々みたいな感じ、とか、誰と誰と誰を足して3で割った感じ、とかでもかまいません。


p.22

要は、自主的に、誰にも頼まれてもいないことを、目的を持ってやるということです。

ただし、それは「お金をもらわない」とはいえあなたの「仕事」なので、「ただの趣味」にはならないようにしなければいけません。


p.23

「お金をもらわない仕事」は、そういう「あったら面白い」から生まれた、「外側」に向かったものです。そういうものは「あったら面白がられる」ものでもありますから、うまくいけばあなたは「なにものか」になることができます。そこが、「ただの趣味」と違います。


p.33

「お金をもらわない仕事」で「なにものか」になるのに一番わかりやすい方法は、メディアに取り上げられることです。そこでお薦めしたいのは、最初から記事になりやすいように考えておくことです。


p.52

さきほど文章、デザイン、ウェブが「三種の神器」だと書きましたが、この3つはできれば、すべてある程度できたほうがいいです。ただし、独学で構いません。高いお金を払って学校に行ったり、何年もかけて身につけたりするのは、それでプロになる人のためのやり方で、ぼくが今回イメージしているのは、まずはあくまでその「にせもの」になることです。