大前研一通信 2006年2月号 VOL.137 [book]

大前研一通信 2006年2月号 VOL.137

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- 耐震強度偽装問題の元凶は建築基準法にあり / SAPIO 2005年12月28日/2006年1月5日号 (小学館)
    批判は建築基準法に向けられるべき。日本のシステムでは建築確認申請から認可が下りるまで最低でも 20 日ぐらいかかる。シンガポールでは建築確認が CAD に対応しているためすぐに検査結果が出る。
    さらに、建築基準法に適合していても必ずしも安全とはいえない。それは阪神淡路大地震や中越地震で明らか。しかも建築基準法があるせいで日本の建築費は他の先進国に比べて異常に高くなっている。世界で最も品質がよくて安いものを日本では使えない。外国製品がそのままでは基準を満たさない仕掛けになっている。ほぼ、国産メーカーの独占状態。
    今回行政は偽装を見抜けず耐震強度偽装建築物が建ってしまった。着工前の建築確認を許可しただけでなく、建物が出来上がったときに査収は検収というプロセスがあり、消防署や保健所などが必ずチェックしているにもかからず。耐震設計のような専門的なことは行政が簡単に審査できるようなものではない。行政は建築物に対する許認可権限を放棄し、推奨事項(ガイドライン)にすべきである。そうすれば、エンジニアリングの検証作業ビジネスが立ち上がり、プロによるチェックが行われるようになる。

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