大前研一通信 2006年8月号 VOL.143 [book]

大前研一通信 2006年8月号 VOL.143

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以下、読書メモ。


- 途上国の企業が世界チャンピオンになる時代に備えよ / SAPIO 2006年7月12日号 (小学館)

途上国のチャンピオンが世界チャンピオンになるという新しいパターンが出てきている。
例えば、鉄鋼メーカーのミタル・スチール(オランダ、創業者ラクシュミ・ミタルはインド人)。
低開発国の経営難に陥った鉄鋼メーカーを買収して再生するという手法で、粗鋼生産量で世界一となった。
記事の時点では、ミタル・スチールは業界2位のアルセロールを買収しようとしたが、猛反発に合い買収は困難かと思われていた。しかし、調べてみると、アルセロールは2006年6月25日の臨時取締役会で一転して、合併を受け入れる事を決めたという情報もあった。実際、アルセロール・ミタルは誕生することが決定したらしい。
ref.アルセロール・ミタルの初代CEOにユンク氏

日本がもっとも警戒しておかなければならないのは中国のケータイキャリアである中国移動。
中国の人口スケールメリットに加え、規制がないことが強みになる。
日本ではアプリとケータイ端末が進みすぎ、孤立している。
また、キャリアにグローバルな視点がないため世界進出できていない。
内戦をしている場合ではない。
世界の主導権をにぐるリーダーが必要だ。


- 本当のインドを発見せよ / 別冊週刊ダイヤモンド インド・中国 2006年1月10日号 (ダイヤモンド社)
- インドと私「企業は社会のため」再認識 / 朝日新聞 2006年6月6日号 (朝日新聞社)

インドには理数系だけでなくビジネスや企業経営に優れた人材が少なくない。
労働集約的でありながら、知識集約的でもある作業が得意である。
例えば、コンピュータで計算できないような非リニア・プログラミングな処理、ケミカル・アブストラクト、ゲーム、アニメーションなど。

インド全体が反映していくわけではなく、ある特定の独自色を打ち出した地域国家が繁栄して行くであろう。

日本の企業はもっと積極的にインドとの関係を深めていくべきだ。
BRICs + TVT + メキシコ、フィリピンといった新興市場への進出は韓国勢が先行している。


以下、感想。
- 途上国の企業が世界チャンピオンになる時代に備えよ / SAPIO 2006年7月12日号 (小学館)

規制がないことが強みになる点が少し疑問。規制がないのは中国だけの話で、中国キャリアが世界進出したときに、メリットとはならないのでは?


- 本当のインドを発見せよ / 別冊週刊ダイヤモンド インド・中国 2006年1月10日号 (ダイヤモンド社)
- インドと私「企業は社会のため」再認識 / 朝日新聞 2006年6月6日号 (朝日新聞社)

Google がページランクというアルゴリズムによってウエブ解析を自動化し、精度の高いウェブ検索サービスを実現している。
しかし、これはテキスト検索に限った話で、今後、音楽、写真、動画といった非テキスト分野で同じ方法が通用するかについては疑問。
これらについては、コンピュータで計算するよりも人の手を介した方が精度が上がるという意見もある。
このような分野では、まさに労働集約的でありながら、知識集約的でもある作業が得意なインド人が台頭する可能性があるのではないか。
Google を倒せるのはインド人かもしれない。