生き方 人間として一番大切なこと [book]

生き方 人間として一番大切なこと / 稲盛 和夫 (著)

生き方 人間として一番大切なこと

随所に宗教臭さを感じ、実際に仏教などの話が出てきますが、人としての原理原則を述べていることには変わりなく、納得できる点が多くあります。
表現は異なりますが、エッセンスは他の成功者が述べていることと同じなので、説得力があり、また、納得できます。

以下、読書メモ。


p.39

実現の射程内の呼び寄せられるのは自分の心が求めただけであり、まず思わなければ、かなうはずのこともかなわない。


p.42

願望を成就につなげるためには、並に思ったのではダメです。「すさまじく思う」ことが大切。漠然と「そうできればいいな」と思う生半可なレベルではなく、強烈な願望として、寝ても覚めても四六時中そのことを思いつづけ、考え抜く。


p.84

「人間として何が正しいのか」というきわめてシンプルなポイントに判断基準をおき、それに従って、正しいことを正しいままに貫いていこうと考えたのです。
嘘をつくな、正直であれ、欲張るな、人に迷惑をかけるな、人には親切にせよ……そういう子供のころ親や先生から教わったような人間として守るべき当然のルール、人生を生きるうえで先験的に知っているような、「当たり前」の規範に従って経営も行っていけばいい。


pp.181-182

たとえば会社だけ儲かればいいと考えるのではなく、取引先にも利益を上げてもらいたい、さらには消費者や株主、地域の利益にも貢献すべく経営を行う。また、個人よりも家族、家族より地域、地域より社会、さらには国や世界、地球や宇宙へと、利他の心を可能なかぎり広げ、高めていこうとする。

すると、おのずとより広い視野をもつことができ、周囲のさまざまな事象について目配りができるようになってくる。そうなると、客観的な正しい判断ができるようになり、失敗も回避できるようになってくるのです。


p.211

ここで大事なのは、因果応報の法則のほうが運命よりも若干強いということです。人生を律するこれら二つの力の間にも力学があって、因果律のもつ力のほうが運命の持つ力をわずかに上回っている。