案本 「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」 [book]
案本 「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」 / 山本 高史 (著)
スコープは、サブタイトル通り、「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」です。
あらゆる経験を効率よく積むための「脳内経験」でないことに注意。
ユニークなアイディアを提案し、選ばれるには、経験が大事。
なぜなら、
p.58
表現は、表現であること以前に、伝達である。受け手に伝わらなければ、選ばれることもない。選ばれなければ、捨てられるしかない。
p.78-79
「シルクのような肌触り」は、シルクの肌触りを、コミュニケーションの双方が経験していないと、伝わらない。コピーライターの自分だけが、経験しても知っていても、ダメなのだ。コピーライターは、受け手が知っているかどうかということも知らなければならない。
pp.145-146
経験することは、「無知の知」に始まり、「主観は偏見に過ぎない」ことまで思い知らせてくれる。自分ってこうだったんだ、人間って、世の中ってこうだったんだ、と知らせてくれる。自分が、小さな主観を抱きかかえて生きてきたことを、教えてくれる。
では、どうやって経験を蓄えていくか。
実経験だけではリアルな時間量に制限される。
さらに、その大きなインパクトゆえに、せっかくの経験をショックのあまり咀嚼しきれなくなったり、ようやく咀嚼できても相当な時間がかかったりしてしまう。
そこで、「脳内経験」。
pp.149-150
経験とは、あることをきっかけに、脳内に意識化されるものだとすると、きっかけは外部に求めるだけではない。経験をきっかけに、経験すればよい。
それを「脳内経験」と名づけた。
脳内経験、たとえば。
街でかわいい犬と、犬を散歩させているいかつい男性を見たとする。
「かわいい犬だな」と思う。そして、「かわいい犬を連れているわりに、いかつい男だな」、「それにしても、犬と散歩するのは楽しいだろうな」と考える。「散歩している犬を見ると、ついつい笑いかけてしまうことって、よくあるなぁ」、「相手は飼い主じゃなく犬、なんだよな」、「そのとき、飼い主はどういう気持ちがするのかな?」と、考える。「やっぱり犬に笑いかけた後は、男にも会釈ぐらいしなけりゃ」、「でも、いかつい男」、「でもでも、こんなかわいい犬を、自分で散歩させているのだ。悪い人とは限らないよ」、「かわいい犬ですね、くらい言っとくか」と、思考を連ねていく。
最初の、「街でかわいい犬と、犬を散歩させている、いかつい男を見た」と同時に、「かわいい犬だなと思った」ことは、実経験だ。そして次にその経験をきっかけにして、(犬と散歩するのは楽しいだろうな)と考える。さらにその「考えた経験」をきっかけにして、つぎつぎに脳が推測、発見、疑問を重ねていく。
つまり、「考えた経験」をきっかけにして、「考えた経験」が連鎖していく。「楽しいだろうな」からが、脳内経験である。
「脳内アングル」と「脳内ツリー」は、説明の消化不良。
具体的にどうやればうまくできるのか、個人のセンスに依るところが大きいと思いました。
p.155-156
脳内経験を、効率よく大量に重ねるにはどうすればいいか?2つの実践できる方法がある。
「脳内アングル」と「脳内ツリー」。
詳しくは、後ほどに譲るが、端的に言うとこういうことだ。
「脳内アングル」は、視点の複数化。「脳内ツリー」は、その複数化された視点をきっかけに、想像力を働かせてアイディア(できればユニークな)に到達すること。
p.160
脳内アングルの目的は、2つある。「全体像の把握」と、「偏見の排除」である。
あらゆる経験を得るための「脳内経験」がスコープである