キャリアをつくる9つの習慣 これが価値を生み出す最新の働き方だ [book]

キャリアをつくる9つの習慣 これが価値を生み出す最新の働き方だ / 高橋 俊介 (著)

キャリアをつくる9つの習慣 これが価値を生み出す最新の働き方だ

9つの習慣とは、下記です。
- 勝負能力
- 現場体験
- ネットワーク
- 仕事に意味付け
- 個人ブランディング
- 相手の価値観を理解する
- ポジティブに巻き込む
- 経験と気付きで学ぶ
- 仕事の言語化、仕事の見える化

はじめの 3 つは、見出しだけ読むと、習慣の説明なのに「 勝負能力」などと名詞になっていてイメージが湧きにくいかもしれません。
しかし、著者の言いたいことは最初の 5 つ、「勝負能力」、「現場体験」、「ネットワーク」、「仕事に意味付け」、「個人ブランディング」で、残りの 4 つは、それらの追加の説明といった印象を受けました。

説明は「こうすればよい」だけでなく、その後に「では、そうするにはどうすればよいか」と踏み込んだ説明がなされているのがよかったです。

ただそれでも、例があっさりているので、抽象的な印象が拭えません。
もう少し具体的な解説があるとよかったのかも。


以下、読書メモ。

p.16

勝負能力とは、これを発揮すればいざというときに高い成果を出すことができる、その人らしい能力のことをいう。好ましいキャリアを築いている人は、この勝負能力を活かした独自の「勝ちパターン」の持ち主だといえよう。

それでは、数ある人間の能力のうち、どういうものが勝負能力になり得るのか。条件をひとつ挙げれば「楽しく発揮できる能力」になる。自然体で使うことができて、しかも使うときに苦痛を感じないというのが、勝負能力というわけだ。

楽しく発揮できるということがなぜ大事か。楽しく発揮できない能力を、無理やり鼓舞して勝負に使った場合、長い間にいずれは燃え尽きてしまう可能性がきわめて高いからだ。


p.32

いくら経営学の MBA をもっていようが、現場経験もない人間が会社経営などできるはずがないという言い方は、ある意味正しい。現場に行かなければみえない問題点や課題はたしかにある。

しかし、ただ闇雲に現場を歩きまわったところで、肝心なものは何もみえないだろう。重要なのは、あらかじめ仮説や問題意識をもって現場に行くということ。それで「あれはこういうことだったのか」と腑に落ちたとき、本当の気づきや発見が生まれるのだ。さらに、それを自分の言葉で概念化していけば、生きた知識として自分の中に蓄積されていく。


pp.41-42

信頼のおける人たちとネットワークを築き、そこにある人間関係に投資しなさい。そうすればいずれあなたにもメリットがありますよ――。社会関係資本とはこういうことをいっているのである。

ということは、組織内での差別化やキャリア形成にいい影響を及ぼす社会関係資本を築くには、周囲に信頼されるような行動をとることと、人間関係に継続的に投資し続けることの二つを習慣化すればいいということがおわかりだろうか。私はこれを「布石」と、「投資」の習慣化と呼んでいる。

ところが、実際はそれだけではない。もうひとつ忘れてはならない重要なことがある。それは、出会った人間が信頼に足るかどうかを見抜くということ。社会関係資本をうまく活用している人というのは、例外なくこの「見抜く能力」に長けているといっていい。見抜く能力を身につけるには、さまざまな人とフェイス・トゥー・フェイスのコミュニケーションを重ねていくのがいちばんだ。


p.50

仕事と趣味ではどこが違うのか。それは、価値を創造し提供しているかどうかという点だ。


p.51

自分の仕事の意味を知るには、まず、自分の顧客は誰なのかを明確にし、次に、その顧客にどんな価値を提供しているのかを確認するといい。


p.60

「私はこういう価値を提供している」ということを自覚し、それを踏まえた行動をとり続けることで周囲に証明し、認めてもらうというのが個人ブランディングなのだ。


p.63

できればブランドは一つではなく、二つか三つあったほうがいい。そして、それらを自分で意識してやり続けるのだ。

同時に、自分にはこういう特徴があるということを、口に出して積極的に周囲にアピールする。とくに、影響力の強いキーパーソンには、ことあるごとに言葉と態度でそれを示しておく。いわゆる個人ブランディングの布石行動だ。