落語家はなぜ噺を忘れないのか [book]
「落語家はなぜ噺を忘れないのか」
その解は次の一文に集約されています。
p.46
落語家が噺を覚えているというのは、このように単に台詞を覚えているだけではなく、ひとつの噺を立体的に見つめながら演れるかどうかということです。噺と向き合ってきた時間とそこに込められた情報の賜物なのです。
では、どのように噺と向き合っていくか。
それについては一般的な解はありません。
p.9
落語家の数だけ落語論はあるというように、結局、この本に書かれているのは私の落語論です。私の頭の中をお見せしているので、これは私自身のドキュメンタリーでもあります。だから、一般的かどうかは、なんとも言えません。
本書では、柳家花緑流の噺への向き合い方が書かれています。
噺の覚え方、カスタマイズして自分流に変えていくやり方、師匠にどのように稽古をつけてもらうのか、など知らなかった裏側を知ることができ、興味深かったです。