マネー力 [book]
前半は、サブプライム後の世界の経済の動きが予測されています。
このような国家が信用できない時代には、「自分の資産は自分で守れ!」ということですが、では、マネー脳の鍛え方はというと、
p.140
要するに、真のマネー力というのは、危機感を持って日々の生活を営んでいる人でないとなかなか身につかないのだ。
という論につき、具体的なノウハウについては記述はありません。
後半は、ビジネス・ブレイクスルー大学院の株式・資産形成講座の宣伝です。
内容は薄いと思います。
以下、読書メモ。
p.32
アメリカのドルが落ちる瞬間が、二〇〇九年のどこかの時点であるはずだ。ヨーロッパは現在無防備だからユーロが落ちているけれども、それはいつか止まるだろう。
p.57
このように、内向き下向き後ろ向きの日本企業と違って、タタはやることなすことが世界規模なのである。ムンバイのテロで一躍有名になったタージマハルホテルもタタ・グループのものだ。タタに限らず、インドには経営力のある事業家が多い。この点は明らかに中国より上だ。そんな彼らが国内企業はもとより、今後も世界の企業を買収していくことは容易に想像できる。
p.63
ロシアはオイルマネーのおかげで、〇七年には債務国から債権国に転じた。だが、ロシアの好景気の要因は決してそれだけではない。プーチン前大統領が導入したフラットタックスがなければ、ここまでロシア経済が活況を呈することはなかったろう。
p.66
>三〇〇〇兆円の余剰資金のゆくえを知りたければ中国とインド、ロシア、それからバルカン半島とトルコ、このあたりの動きには、絶えず目を光らせておく必要がある。
p.104
サブプライムローン問題の底が見えて、世界の投資資金が戻ってこないうちは、住宅価格は上がらないから、それまでアメリカは景気低迷を余儀なくされるだろう。ということは、経済がアメリカと強くカップリングしているところは、当面投資先として適当ではないということになる。