影響力の武器 実践編「イエス!」を引き出す50の秘訣 [book]
「影響力の武器 第二版 なぜ、人は動かされるのか」 で示された 6つの原理、返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性について、より多くのテクニックや例が書かれています。
「影響力の武器 第二版 なぜ、人は動かされるのか」 と重なる例もありますが、50 もの豊富な例でより理解を深めることができます。
本書だけ読んでもある程度楽しめると思いますが、「影響力の武器 第二版 なぜ、人は動かされるのか」 を読んだ後に、本書を読むと、より楽しめると思います。
まさしく「実践編」として良くまとまっていると思います。
以下、読書メモ。
p.12
みんなが無関心だから戻ってきた。この言い回しは、どのようなメッセージを視聴者に伝えているでしょうか。この広告は、ポイ捨て行為は禁じられているにもかかわらず、実際にもたくさんの人が行っていると言っています。ポイ捨てが、絶対許されないと伝えること自体には問題はありませんが、それが日常茶飯事なのだと示してしまうと、ポイ捨てに強力な社会的証明を与えてしまうことになります。
p.18
こちらのメッセージを最大限説得力のあるものにするには、相手を前のコミットメントから解放するとともに、前の判断は誤りだったという見方を避ける必要があります。恐らくいちばん生産的な方法は、以前の相手の判断を褒めて「その時点では」間違っていなかったと伝えることでしょう。「そのとき得られた根拠と情報からすれば」以前の選択肢は正しかったと指摘することで、相手が昔のコミットメントに縛られず、また、面子を失ったり一貫性を欠いたりせずに、新しい提案に注目するよう促せるのです。
p.79
あなたが恩を施してあげた人よりも、あなたに恩を施してくれた人のほうが、頼みを聞いてくれるものだ
p.118
相手からの信頼を高めることを第一に考える場合は、両面的なメッセージでどのような欠点を伝えるかはさして問題ではありませんが、レストラン、商品、自分の資格など、特定の対象に対する好感度を上げたい場合は、短所には必ずそれに関連した長所を組み合わせて示す必要があります。実例を挙げてみましょう。一九八四年にアメリカ大統領ロナルド・レーガンは再選に向けて立候補しましたが、有権者の間では二期目を務めるには高齢過ぎるのではないかという懸念が取りざたされていました。対立候補ウォルター・モンデールとの大統領候補討論会の際に、レーガンは自分が高齢であることを認めたうえでこう述べたのです。「この選挙キャンペーンでは、私が年齢を問題にするつもりはないことも分かっていただきたい。政治的な目的のために、相手の未熟さや経験不足に付け込む気はないのでね」。
p.154
試飲テストの段階では、買おうとしても手に入らなかったのはニュー・コークのほうだったので、サンプルがどちらなのかが分かっているテストでは、普通なら入手できないものが特に強く好まれたのです。しかし、後に同社が旧製法を新製法に切り替えると、今度はオールド・コークが手に入らなくなったため、そちらが好まれるようになったわけです。